放射線科とインプラント
一般原則
X 線などの電離放射線にさらされると、生物組織が損傷を受ける危険性が常に存在します。このため、原則として、臨床検査では診断や治療の決定の根拠となる十分な情報が得られない場合にのみ、X 線検査を実施する必要があります。もう一つの重要な原則は、X 線検査は可能な限り低い線量で実施し、特定の問題に関して十分な情報を提供できる代替の放射線技術を考慮する必要があるということです。すべての X 線検査は、いわゆる ALARA 原則 (ALARA = 合理的に達成可能な限り低く) に従って実行する必要があります。
インプラント治療に関連して行われるX線検査は、治療の計画のためかフォローアップのためかによって範囲が異なります。治療を計画する際には、歯のない部分が顎のどこにあるのか、またインプラント治療が適切な場所はどこかということも重要です。インプラント治療に関連するX線検査に使用できるX線装置はいくつかあり、さまざまな装置からのX線画像からさまざまな程度の情報が得られます。
X線検査のモダリティ
2次元画像技術
パノラマX線
パノラマ X 線画像は、インプラント治療の計画時と治療後のフォローアップ時に重要な情報を提供します。この画像は、歯槽骨がどの程度残っているか、インプラント予定部位の付近にどのような解剖学的構造があるか、また顎の病理学的プロセスの概要を臨床医が把握するのに十分です。フォローアップ中、パノラマ X 線画像により、インプラントが配置されている場所と、ある程度の辺縁骨のレベルがわかります。ただし、この画像は口腔内画像に比べて解像度とコントラストが低く、微細な構造や詳細を確認する必要がある場合には役立ちません。
パノラマ X 線画像は、X 線源が患者の後ろで回転し、検出器が前方で回転するときに作成されます。 X線管と検出器は50〜70cmの距離でしっかりと接続されています。露光…