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歯根裂傷、診断上のジレンマ

著者:Anna Sturestam/Björkner Annika
公開日: 20241201
更新日: 20241220

原文執筆者: Johan Warfvinge

背景

歯根破折により歯内治療が失敗することは珍しくありません。患者は、軽い圧痛から腫れや痛みまで、さまざまな症状を呈することがあります。一般的な所見としては、噛んだときだけでなく打診や触診でも圧痛が見られます。瘻孔の形成も頻繁に起こります。

根管充填歯における根の亀裂は、4% - 32% の頻度で発生します。ひび割れは通常、治療を行った後しばらくして、平均して約 5 年後に気付きます。最も影響を受けやすい歯は、下顎の臼歯と上顎の小臼歯です。

X 線では、通常、歯根の周囲に広がった歯根膜が見られ、歯根の高さの半分以上まで伸びています。より良い診断のためには、2 枚の X 線投影が役立つ場合があります。

CBCT は偽陽性の結果が出るリスクが高いため、ほとんど適応されません。これは、根管充填材とポストによって、画像内に根管の亀裂と解釈されるアーティファクトが生じるためです。

亀裂は通常は歯の縁から始まりますが、根尖から始まる場合もあり(画像 1 および 2 を参照)、より珍しいケースでは根の中央から始まることもあります。

亀裂が端から始まる場合、局所的に深い歯肉ポケットが発生することがよくあります。

亀裂がさらに根尖側で始まっている場合、臨床的に診断することがより困難になる可能性があり、このような場合には、X 線検査で診断に関する情報が得られることはほとんどありません。

写真1。
写真2。

ピンが付いている歯は折れやすい傾向がありますが、ピンが付いていない歯でも折れることがあります。根管充填された歯の根尖治癒が完了後、数年後に問題が発生する場合、根管破折の疑いが生じることがよくあります。

根管充填歯の割れはさまざまな要因によって生じます。たとえば、不利な力(充填量が多い、クラウンが多い)が原因の場合や、歯に以前割れや破損があった場合などが考えられま…

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