顎関節の脱臼
公開日: 20240223
更新日: 20241216
背景
顎関節脱臼は、顎関節頭(顎関節の頭)が顎窩(関節窩)、側頭骨から脱臼した状態に付けられた名前です。脱臼は外傷による場合もあれば、自然発生的に起こる場合もあります。この症状の患者は、場合によっては医療機関で緊急治療できますが、口腔外科医や咬合生理学者などの歯科専門家による治療が必要な場合もあります。
症状は以下のように分類できます。
- 急性顎関節脱臼
- 習慣性顎関節脱臼
- 慢性顎関節脱臼
疫学
顎関節脱臼の頻度と有病率を調査した研究はほとんどありません。年間約 10 万人が受診する救急診療所で実施された調査では、7 年間で 37 件の顎関節脱臼が発生しました。
この症状は片側でも両側でも発生する可能性があります。最も一般的なのは片側前方脱臼です。
原因
- 急性顎関節脱臼は、下顎を極端に開いた後に最もよく発生しますが、下顎に直接外傷が生じた後にも見られることがあります。
- 習慣性顎関節脱臼は、全般的な関節可動性亢進のある人に多く発生します。また、以前の脱臼により関節包や靭帯が損傷している人や、関節窩が通常よりも浅い場合にも、この症状はよく見られます。
- 慢性の顎関節脱臼は、以前の脱臼が整復されず、下顎頭が誤った位置に留まった場合に発生します。
症状
- 噛み合わせが合いません。
- 噛むことや顎を動かすことが難しい
- 顎関節部の痛み
- その部位の筋肉の緊張
臨床所見
- 下顎が健側へずれている顔面の非対称性。顎関節脱臼が左側にある場合、下顎は右側にずれます。
- 噛み合わせが合わず、患者は口を開けた状態で固定されます。
- 顎関節を触診すると、両方の顎関節が同じように感じられません。
- 放射線学的には、下顎頭の位置が異常であることが分かります。
鑑別診断
- 下顎頭の骨折
- 下顎骨骨折
- 椎間板後方変位(戻りなし)
調査
- 一般的な病歴
- 脱臼の可能性がある時点で、例えば、最大の開口があったか、外傷があったかを明らかにするための病歴
- 外傷がある場合は、その方向と性質を明らかにし、…